
私たち人類にはその苦労から解放される日が来るのでしょうか。本書ではその可能性について探っていきます。雑草とは「望まれないところに生える植物である」と定義されていますが、この考え方は西洋の考え方であって、日本では少し異なります。たとえば「雑草の研究をしています」と言いますと「ずいぶん変わったことをしていますね」と受け取られます。西洋ではそういう反応ではなく「雑草を退治する良い研究ですね」と言われます。日本の研究者にとっては残念なことではありますが、しかし著者によると、これは日本人の自然観の素晴らしさが関係していると言います。
どういうことかと言いますと、西洋では自然は征服し、雑草は排除するものです。それに対し日本では、雑草を邪魔者として排除するという考え方がどうも薄いようです。それどころか雑草魂という言葉もあって良いイメージもあります。雑草をほめ言葉にも使うのは、世界でも日本だけのようです。
実際のところ、雑草は意外と競争力のない弱い植物で人が手を加えなければ無くなると言います。その分、生き残るために人の決めた分類や「こうあるべき」という考え方を飛び越しその生き方はとても自由です。ちなみに未来の草むしり機をドラえもんに頼んだのび太は、即座に「そんなものはない」と断られます。
宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん
- 坂出市出身。約40年書籍の販売に携わってきた、
宮脇書店グループの中で誰よりも本を知るカリスマ店長が
珠玉の一冊をご紹介します。 - 写真
宮脇書店 総本店店長 山下 郁夫さん
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