造形スタジオ、美術図書室、ミュージアムホールを集めたアートセンターは、展覧会を訪れる以外の目的で利用できる場所で、展覧会チケットなしで入れます。入り口すぐそばには、座り心地の良いソファとテーブルを置いてあり、そこに猪熊の絵画があります。また、カフェだけの利用もお勧めのカフェレストMIMOCAでは、店内どこからでも見える位置に作品を飾っています。
猪熊は、壁画の制作やデパートの包装紙のデザインなど、人々の日々の暮らしに溶け込んだ分野で自分の美的能力を発揮しました。一方で、生活の場である自室を美しく整えるなど、あらゆるところに美を生み出し、芸術を日常にと考えていました。MIMOCAは建物そのものが美しく設計されていますが、さらに何気ないところにも猪熊の絵画を展示したり、壁画やオブジェを点在させることで、訪れた人々が意識せずとも作品を体感してリフレッシュできるように考えられています。
7月1日まで開催している常設展「猪熊弦一郎のおもちゃ箱」では、絵画作品のほか、猪熊が自宅で使っていた家具や、気に入って集めていた物などを紹介しています。この展覧会と合わせて、生活を美しく楽しくという猪熊の精神をMIMOCA全体でぜひ感じてください。
企画展「荒井茂雄展 人生の詩」
【ところ】丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(丸亀市浜町80-1)
【観覧料】一般950円、大学生650円、高校生以下または18歳未満・丸亀市内在住の65歳以上・各種障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料
※同時開催常設展「猪熊弦一郎のおもちゃ箱」観覧料を含む
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 公益財団法人ミモカ美術振興財団 学芸員 松村 円
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