小さな円が世界への縁に

ハッピーサークル 松浦産業

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2018.07.05

(写真3)パリでは、月と波をイメージした紙袋(左)と、 手裏剣をイメージしたもの(右)を展示する予定。 取っ手の色は約20色ある。

(写真3)パリでは、月と波をイメージした紙袋(左)と、
手裏剣をイメージしたもの(右)を展示する予定。
取っ手の色は約20色ある。

「私たちは、幸せを運んでいる」。紙袋用のプラスチック製取っ手で、国内シェアの7割近くを占める松浦産業(善通寺市)のキャッチコピーだ。

自社工場で製造した取っ手を製袋メーカーに卸している同社。ある時「いつもとは違う小物用紙袋の取っ手がほしい」という顧客の声を聞いた。クリスマスやバレンタインデー、母の日のプレゼントなどに使う高級感のある紙袋に合うものが求められていた。「今までに見たことのないような取っ手を作ろう」と、開発プロジェクトが動き出した。
写真1

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担当したのは営業部課長の川江茂樹さん。2014年の開発開始から1年かけて出来上がったのが、直径9cmの「ハッピーサークル」だ。通常の取っ手は2本に分かれている。だが、ハッピーサークルは1本にし、端を紙袋の両側に取り付けた(写真1)。袋を閉じて留め具を合わせると、取っ手が円に見える(写真2)。

「プラスチック製の1本のひもをただ丸めているだけに見えますが、それがとても難しかったんです」。単にひもを丸めただけでは楕円になってしまうという。繰り返した試作は5回。一部分だけわずかに細くするなど、ひもの太さや厚さ、カーブの形状を微妙に調整し、やっときれいな円になった。
写真2

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「他社が簡単には真似できないものができたと自負しています」。今年、全国の経済産業局などが主催する「ChallengeLocal CoolJapanin パリ」に応募。クールジャパン商品として選ばれ、フランス・パリのギャラリー「メゾン ワ」に今秋から半年、展示されることが決まった。日本らしいものを展示したいと考え、今回は紙袋もデザインした(写真3)。

「ハッピーサークルという名前に“円”で“縁”を取り持つという意味を込めました。自信のある製品ですが、知名度はまだまだ。パリでの展示がきっかけとなって、多くの人に知ってもらえれば」と川江さんは話している。

【問い合わせ】TEL:0877-62-2555
【HP】http://matsuura-sangyo.co.jp/

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