一つの道具が働き方を変える 技術や創造性に価値を

有限会社 都島興業 Vバースペーサー®

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2017.04.20

一つの道具が、働く意識を変えることもある。「Vバースペーサー®」は、建設現場の過酷な作業を劇的に改善する道具だ。眞部達也社長が現場で見た光景が、開発のきっかけだった。「若者が60代の職人に横柄な態度を取っていた。体力勝負の世界だが、経験や技術も尊ばれるべきだ」。体力の負担を減らすのと同時に技術を生かせる製品があれば、ベテランも活躍できるのではないか。その思いを形にしたのがV字型のスペーサーだ。

スペーサーとは、何かの間に挟んで空間を作る道具。例えば床をつくる時、凹凸型の板の上に網目状になった鉄筋を置き、そこにコンクリートを流し込む。その際、板と鉄筋の間にも十分コンクリートが回り込むよう空間を開けておく必要がある。そこで、板と鉄筋の間に挟んで鉄筋を浮かせるのがスペーサーだ。現在は円筒形や直線的な形が一般的。しかしその形状だとずれやすいため、板の上にまず網目の鉄筋を置き、後から鉄筋の下に挟み込む。その際、約15㎝四方の網目の間をずっとつま先立ちで進まなければならない(写真下)。一方、Vバースペーサー®は形と大きさを工夫して安定感を高めた。おかげで、先に板の上に並べ後から鉄筋を乗せるだけと、作業負担は劇的に軽減。作業時間も約3割短縮されたという。

この道具をきっかけに、体力だけではなく技術力にも価値を見出すことができた。それだけではなく、製品開発力も業界で高く評価された。「認められることで、もっと技術を磨きたい、製品開発にかかわりたいと職人が意欲的になったことがうれしい」と眞部社長は言う。
お問い合わせ:TEL:087-899-8085
HP:http://miyakojima-unit.com/

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