金木犀が香ると ハッタケが出る

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸

column

2018.10.18

キシメジ

キシメジ

香川県の青果物業界には「金木犀が香るとハッタケが出る」ということわざがあるように、秋が深まるにつれ香り始める金木犀とともに、山ではいろいろなキノコが収穫できるようになります。金木犀が香る季節になると、お弁当を持って山に出かけ、キノコ狩りをする人も珍しくありません。

一般的に流通しているキノコ類である、シイタケ(原木栽培を除く)、エノキダケ、シメジなどのキノコは、菌床栽培(おがくずなどを固めた培地に菌を植え付ける栽培方法)により、一年を通じて計画的に出荷されています。
これとは異なり、秋になると野山に生えるキノコがあります。有名なものはマツタケですが、そのほかにも、ハッタケ、キシメジ、イグチン(イグチキノコ)、ナメタケ、ヒラタケなどがあり、香川県では、現在でも市場を経由し、県内の百貨店や量販店などへ流通し、季節感あふれる貴重な食材として店頭を賑わしています。「50年ほど前は、帽子いっぱいにとったら、5000円にもなった」とのエピソードもあるくらいの高級感があり、現在でもマツタケに負けない価格のするものもあります。

これらのキノコは見慣れない食材なのでなかなか手が伸びませんが、野菜などと煮込むしっぽくうどんの具材や、オリーブオイルでソテーするなど、一般的なキノコと同じような調理方法で利用することもできます。1カ月ほどしか店頭に並ばないのですが、香川県に暮らしているからこそ楽しむことができる季節感あふれる食材ですので、機会がありましたらぜひ、料理してみてください。

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん

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