仕事の意味を理解する

協和化学工業 取締役副社長 木下 幸治さん

Interview

2018.11.15

プロデュースした社員食堂で

プロデュースした社員食堂で

母校の京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍した。1983年、関西学生リーグを制し、甲子園ボウルで日大に勝利、ライスボウルで社会人1位のレナウンを下して初の日本一を達成した時のメンバーだ。1日のほとんどをアメフトに費やした4年間。「逃げ出したい時もありましたが、そういう時間が持てたのは人生でもあの時だけ。貴重な経験は今に生きています」
センターとして活躍

センターとして活躍

部内では、4年生が厳しい練習のかたわらボール磨きやグラウンド整備をし、後輩の面倒もみる。1年生は、体づくりのための短い練習の後、練習する先輩の姿を見たり、コミュニケーションしたりすることに時間をさく。その中でチームの目標を理解し、自ら考え練習に臨む心構えを身に付けていく。「会社でも新人はまわりを観察し、自社を知ることが第一。あれをやれ、これをやれと単に仕事を与える前に、会社がどういうことを目指しているのか、何のためにその仕事をするかを理解してもらう。仕事の意味を理解して取り組むと成長するスピードも早いと思います」

そのために重要なのは、経営陣や管理職が会社の方向性を示し、それが社員全員に伝わる体制をつくることだと考えている。世界に一つしかない製品を作って社会に貢献する、社員と家族が幸せである―という企業を目指し、管理職とも議論した。トップダウンではなく、社員一人ひとりが考えて行動するボトムアップ型の組織になるよう研修も進めていく。

社員食堂のプロデュースにもかかわった。うどんよりそばという人のために、北海道からそば粉を取り寄せたほか、行きつけの和食店から料理人をスカウトした。「社員の健康には食も大切。ここでくつろいで、リフレッシュしてもらいたいですね」

“人と人”が仕事をする

三井物産時代。中国広東省の金鉱山を訪ねて

三井物産時代。中国広東省の金鉱山を訪ねて

商社マンとして20年以上仕事をする中で、お客さんのニーズをつかむためには「現場感覚」が必要だと痛感した。工業製品や医薬品の製造開発で世界トップクラスの協和化学工業に入社してからも、その思いは変わらない。「現場で自社の製品を使ってくれているお客様の顔を見て問題点を直接聞く。自己満足で製品を製造・供給していたのでは、お客様は離れていく。優秀な社員はしっかりと現場を回って、自分たちの製品に何か問題はないかよく話を聞いていると思います」

仕事は、会社と会社ではなく“人と人”がするもの。人間関係をつくることで、情報も行き来するし、相手の本音も見えてくる。そんな人間関係をつくれるバランスの良い社員を育てると、会社も自然に成長すると考えている。

「例えば、一般的に優秀と思われている人とそうでない人がいたとすると、優秀と思われている人の悪い部分をあえて探し、そこを改善するよう指導します。逆に、優秀でないと思われている人にもよいところはあり、そこをほめます」。優秀と思われている人は苦手な部分を伸ばすことで、バランスがとれる。優秀でないと思われている人は、長所を生かせる業務をさせることで、仕事への興味が出てくるという。

人が集まる会社に

香川に住み始めて6年。通勤ラッシュもなく、海も山も近い。食べ物もおいしいし、住んでいる人もいいこの街が気に入っている。「こんなに魅力的なところを、都会しか知らない人にも経験してもらいたい」。だからこそ、ほかのどこにもない製品を研究・製造したい人、営業や企画分野でも世界を舞台に仕事をしたい人たちが集まってくるような会社にしたいという。

今後は、農業分野にも挑戦する計画がある。「夢はオリジナル製品で世界のトップ。世界のフィールドで活躍できる人材を育てていきたいですね」

石川 恭子

木下 幸治 | きのした こうじ

1960年 京都府生まれ
1979年 京都府立桃山高校 卒業
1985年 京都大学工学部石油化学科 卒業
     三井物産株式会社 入社
2012年 三井物産株式会社 退職
     協和化学工業株式会社 入社
2018年 取締役副社長 就任
2021年 代表取締役社長 就任

協和化学工業株式会社

事業内容
医薬用制酸剤、水酸化マグネシウム、合成ハイドロタルサイト、その他無機化学工業薬品、医療用医薬品の製造・販売 、アグリバイオ事業 他
本社・高松事務所
高松市磨屋町8番地1 あなぶき磨屋町ビル2F
TEL.087・826・6610
FAX.087・826・6616
本社・坂出工場
坂出市林田町4035
TEL.0877・47・0011
FAX.0877・47・4721
設立
1952年9月
資本金
1億4400万円
従業員数
608人(国内・2021年3月末現在、海外約400人)
URL
http://www.kyowa-chem.jp
確認日
2021.10.15

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