1月6日は、二十四節気で寒の入りを表す「小寒」にあたり、これから立春にかけては、気温は深々と冷え込む季節となります。また、七十二候ではセリが育ち始める季節である「芹乃栄」にあたり、冬至が過ぎ、昼は着実に長くなるため、日長の変化に合わせて、植物が徐々に成長していることを感じます。そして、続く1月7日は「人日の節句」、いわゆる「七草の粥の日」となります。
年末はあわただしくて気に留めることがありませんが、年が明け少し落ち着いて水田を見ると、七草に挙げられる若菜があちこちに生えていることに気が付きます。古来は野に生えている若菜を摘んで、調理していましたが、現在では年始に向けて栽培された「七草」がパック詰めされ、正月三が日を過ぎた野菜売り場をにぎわしています。
一方、少し前の香川県の食文化を紐解くと、「菜を食う」は「泣く」に通じて縁起が悪いため、1月7日になって初めて青菜を口にするという解釈もあったようです。 また、現在では七草が一般的になっていますが、県内の地域によっては、七草だけではなく、コマツナ、ネギ、ホウレンソウなど、いろいろな青菜を使ったり、調理方法も粥ではなく、ぞうすい、おひたし、あえ物など様々な青菜の料理をいただいていたりしたそうです。
いずれにせよ七草粥は、年末年始で負担をかけた胃腸をいたわるにはもってこいの料理であり、とても理にかなった食文化であることを実感します。
野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん
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