純粋な気持ちで仕事に向かう

香川県警察本部長 千野 啓太郎さん

Interview

2017.04.06

香川県警察の年頭視閲式で(左端)

香川県警察の年頭視閲式で(左端)

初めて四国に来たのは、高校の卒業旅行。剣道部の仲間8人で、東京から岡山まで鉄道、香川までは連絡船に乗った。高松から愛媛、高知、徳島の大歩危・小歩危を通って、再び高松へ。鉄道で四国を一周した。1988年の警察庁入庁後も、出張や家族旅行などでたびたび四国を訪れた。

2016年8月、香川県警察本部長に就任。「青い空と海、多島美、緑のおむすび山。旅で来ても暮らしても、良いところだなという印象は変わりませんね」

大自然に魅了

「おれは男だ!」というテレビドラマの影響で始めた剣道は、小学校から大学まで続けた。「息長くできる武道だと思います。一瞬にかける集中力と平常心を保つことが肝要です」

海外旅行も好きだ。1992年から人事院の研修プログラムで米国に2年留学した際、大自然に魅了された。きっかけは、中西部を車で旅行したことだ。「眼下に見渡す限り地平線まで、岩と砂の大地が夕日で真っ赤に染まっていて。SF映画で見る火星のようでした。それからあちこち行くようになりました」

休日になると、北はアラスカから南はハワイまで、いろいろなところへ出掛けた。アラスカではオーロラ、フロリダでは野生のワニを見たことも。グランドキャニオンやイエローストーン、ヨセミテなどの国立公園を目指して車で走った。

留学を終え帰国してからは、イギリスやフランス、イタリア、ギリシャ、スイス、北欧、中国、韓国、オーストラリアなどを訪れた。ガラパゴス諸島でイグアナを見たり、エジプトで遺跡を訪れたりしたことが思い出深い。「島々など香川のいろんなところにも出掛けてみたいですね」

法律づくりに携わる

警察庁では、1992年3月に施行された暴力団対策法の策定に携わった。「法律を一からつくる仕事はなかなかできない貴重な経験。社会のニーズに対応するためにどんなことができるのか、頭をひねりました」。99年に香川県警本部長を務めた吉田英法さんが、10人ほどの暴対法チームのキャップだった。「吉田さんと同じように自分も香川県警本部長になるなんて、縁があるなと思いますね」

都道府県警察への赴任は、大阪府警、北海道警、埼玉県警、警視庁。北海道では捜査二課長として、当時の石狩町長の贈収賄事件を捜査指揮した。「立件に向けて地検との協議を重ねるなど、この時の経験が事件捜査の原点となりました」

2013年から約2年、内閣参事官を務め、省庁の枠を越えた対応が必要な案件の解決に当たった。15年4月、首相官邸屋上にドローンが落下する事件が発生。「ドローン自体は、物資運搬にも役立つものですが、危険性もある。線引きをどうするかが難しいところでした」。この事件を機に、ドローンに関する法整備が本格化した。
香川県警察本部のメンバーと寒霞渓へ(右端)

香川県警察本部のメンバーと寒霞渓へ(右端)

生活の基盤守る仕事

「警察の仕事は、困っている人、社会的弱者を危険から守ること。身の危険を感じないで暮らせるのが一番いい。生活の基盤となる安全・安心を守るために全力で取り組みたい」

判断に迷う時は、純粋な気持ちで人のためになるのはどちらかを考える。渦中に入ると見えなくなるため、一歩引いて全体を見ることを心掛ける。

香川県の課題は交通死亡事故の抑止。「車は便利ですが、運転を一歩間違えれば大変危険なものになる。取り締まりだけではなく、幼児期からの交通安全教育が大事でしょうね」

千野 啓太郎 | ちの けいたろう

略歴
1965年 9月 東京都生まれ
1988年 3月 東京大学法学部 卒業
1988年 4月 警察庁 入庁
2003年 2月 警察庁交通局交通規制課理事官
2004年 9月 警視庁生活安全総務課長
2005年 8月 埼玉県警察本部刑事部長
2007年 2月 警察庁長官官房人事課監察官
2009年10月 警視庁犯罪抑止対策本部副本部長
2011年 8月 警察庁生活安全局少年課長
2013年 6月 内閣官房副長官補付内閣参事官
2015年10月 関東管区警察局総務監察部長
2016年 8月 香川県警察本部長

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