人付き合いや何気ない会話が活力

四国財務局長 余島 義豊さん

Interview

2017.03.02

小豆島の「エンジェルロード」が写る四国の観光ポスターと。 エンジェルロードは干潮の時だけに現れる砂浜

小豆島の「エンジェルロード」が写る四国の観光ポスターと。
エンジェルロードは干潮の時だけに現れる砂浜

昨年6月、四国財務局長に就任。小豆島出身で、就任後に各市町などへあいさつ回りに行くと「お帰りなさい」と言ってくれた人もいた。「地元で仕事ができるのは光栄」と話す。恋人の聖地として人気の「エンジェルロード」からほど近い場所で生まれ育ち、土庄中学、土庄高校に通った。高校卒業まで小豆島で過ごした。

スケジュール管理が肝心

中高と剣道部に所属。「当時、県下では仲南中学校や琴平高校が抜きんでて強かった。高い壁のように感じていました」。礼に始まり礼に終わるといわれる武道。練習も先輩も厳しかった。毎日稽古に励み、高校時代の団体戦では大将を務め、3年の夏に三段を取得した。

1975年に国家公務員試験に合格、76年に近畿財務局に採用された。81年に大蔵省主計局へ異動。放送大学への出向なども経験したが、これまで合わせて30年以上主計局に勤務し、国の予算編成に携わってきた。

主に農林水産省や厚生労働省の予算を担当。1993年に冷夏で米不足になった時は農水省を担当していた。平成の米騒動とも言われ、国産米が不足。政府はタイ米を輸入することでしのいだ。余島さんはその予算措置に奔走した。

2012年から3年間、主計官を務めた。省内に11人しかいない予算編成の実務責任者だ。例年、8月末に各省庁から予算の概算要求が提出され、12月までの間に査定や各省庁との折衝を重ね、予算の原案をつくる。翌年1月に予算案は国会へ提出される。

仕事で最も大切なのは、スケジュール管理だという。「年間を通してどんな仕事をするのか、そのためにはどんな準備が必要なのか、十分に考えておく。そして期限を守ること。そうすれば仕事はうまく進みます」。資料一つにしても、効率よく内容のあるものに仕上げられるよう考える。

お遍路で新しい発見

昨年の夏は瀬戸内国際芸術祭をきっかけに島を巡り、涼しくなった10月からは約3カ月かけて四国88カ所霊場を回った。今は四国別格20霊場を回っている。「合わせて108カ寺。すべて回れば煩悩を断ち切ることができると言われていますが、なかなか・・・」。残すところ、あと3カ寺だ。

きつい上り坂ですれ違うお遍路さんが、「あともう少し、頑張って」と声を掛けてくれたことに気持ちが和んだ。優しい声掛けのほか、おいしい食べ物を教えてくれるなどお遍路同士の交流が生まれることもうれしい。「人との付き合いや会話が活力になっています」

四国財務局のメンバーとも四国各地を訪れている。徳島の剣山や愛媛の道後、高知ではカツオの藁焼き体験をした。
四国財務局のメンバーと徳島へ

四国財務局のメンバーと徳島へ

若手に期待

「私が若い頃よりも財務局の仕事の幅は広がったように思います。例えば、地方創生のために何ができるか」。昨年12月、四国財務局の若手職員の呼び掛けで地方創生をテーマにしたフォーラムが開催された。国と県、県内市町から合わせて60人の若手職員が参加した。

「こうした自発的な取り組みはうれしい限り。若手にはこれまでの歴史を理解した上で、これからの時代に必要とされる仕事ができる人になってほしいですね」

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