軌道修正できる柔軟さを心掛けて

NTT西日本 香川支店長 西川 宏幸さん

Interview

2016.11.03

昔から「ものの不思議」に興味があった。「なぜ」と思うことを純粋に追求したくて、高校の時は自然科学系のクラブに入りナウマンゾウの骨や化石の発掘に出かけていた。今も、歩いている時や車窓から気になるお店、オブジェなどを見つけると戻って確かめに行くと言う。「人とは違うところを見ている、とよく言われるんです」

あらゆる部署を経験

大学では物理を専攻したが、ものづくり以外のことがしたいと就職先は機械系メーカーではなくサービス業であるNTTを選ぶ。民営化5年目、時代はデジタル通信へと移りつつあった。以来、管理職になるまで同じような職務内容の部署が一つもなかったと振り返る。

最初に配属されたのは、全国に張り巡らされている電話交換機の設置工事、メンテナンスをする部署。電話をかけて話ができるという“当たり前”を守るため険しい山に入って作業所で一泊、時には漁船をチャーターして島に渡った。「台風時のメンテナンスは大変でした。勤務先の和歌山は台風が多くて」
2016春期キャンペーン表彰式

2016春期キャンペーン表彰式

次の設備投資を決定する部署では、投資判断を行った。このエリアは今後人が増えるかどうか、キャッチホンやISDNといった付加価値の高いサービスに加入してくれる人が多いエリアか。それらを見極め、優先的にサービス提供するエリアを判断する仕事だった。

人材育成のカリキュラムを作る業務や、新規ビジネスを起こす部署も経験した。一方で30歳の時、労働組合の若手トップの立場に選ばれた。「組織の仕組みや労組が何を目指しているかを理解できた。若い時に貴重な経験ができたと思います」

マイ包丁はドイツ製

趣味の変遷も多彩だ。大学の時は邦楽部で尺八を始め、個人的に師匠について稽古もした。「みんなで一曲仕上げることが楽しかったですね」。カメラが好きで阪神ファン、街歩きも趣味だと言う。
「料理は楽しいな」とひと言

「料理は楽しいな」とひと言

中でも料理の腕前はかなりのもの。道の駅で調達した材料で栗ご飯、ジャガイモをつぶさずに作るポテトサラダ、1日じっくり煮込む豚の角煮・・・。単身赴任先のマンションに部下を招いたホームパーティーではマイ包丁で作る数々の料理でもてなし、自宅に帰った時は家族の食事を作ることもある。「最近は社員食堂のメニューにアイデアを出していましたね」という部下の証言も。「得意料理はこれ、というのはありませんが、ひと通り作れるという感じです。料理をしていると気分転換にもなりますね」

世の中のためになる仕事を

さまざまな部署での経験を糧にしてきた西川さんが、一番成長できたと感じているのはサービスを開発する部署での仕事。そこでは、日本初の企業向けネットワークサービスを立ち上げた。サービス内容や機器のスペックを考えるのはもちろん、ネットワーク機器の条件を明記した何百ページにも及ぶ技術参考資料の編纂を手掛けたほか、総務省との窓口も担った。
NTT香川支店内 親睦ソフトボール大会にて

NTT香川支店内 親睦ソフトボール大会にて

開発のアイデアを出す時は「この部分が通信に変わったらみんなの生活や仕事が楽になるだろうか」という視点を大切にしている。「売り手、買い手、世の中の三方よし。世の中の役に立つ仕事をしないといけない」と後輩に常々話をしている。

管理職となった今、心がけているのは自分の考えに固執せず間違ったらすぐに直すこと。「そうしないと組織が間違った方向に進んでしまう。いつでも軌道修正できる柔軟さを持ち続けたいですね」

西川 宏幸 | にしかわ ひろゆき

略歴
1965年 8月 和歌山県生まれ
1989年 3月 甲南大学理学部 卒業
1989年 4月 日本電信電話株式会社 入社
2006年 7月 西日本電信電話株式会社
      サービスクリエーション部 担当課長
2008年10月 サービスクリエーション部 担当部長
2009年 4月 静岡支店 法人営業部長
2012年 7月 法人営業本部ネットワーク営業推進部
      担当部長
2013年 7月 ビジネス営業本部
      ネットワーク営業推進部 担当部長
2013年10月 人事部 担当部長
     (NTTビジネスソリューションズ(株))
2016年 7月 香川支店 支店長

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