
オーストラリアとの縁
シドニー駐在を終えて赴任したのは、北海道運輸局。ちょうどニセコに外国人観光客が増え始めているころだった。ニセコ人気に火をつけたのは、オーストラリア人なのだと言う。「スキーのインストラクターだった人が移住して、オーストラリアと日本の観光のマッチングが出来るようになったんです。向こうの方はレジャーを心から楽しみますから、他の人にもどうやって遊んでもらうかと考えたんですね」。冬のパウダースノーでのスキー、夏は乗馬にラフティング、コンドミニアムでの長期滞在など、オーストラリア人に合うレジャーのスタイルを提案したことで、観光客はどんどん増えた。
瀬部さんは船舶検査官として赴任したが、クルーズ観光やクルーズ船誘致など観光にも携わった。「観光の無限の可能性を感じましたね。ニセコでは日本人よりも外国人観光客の方が多いくらいじゃないでしょうか」
今年7月、組織改正に伴って四国運輸局に観光部が誕生した。四国霊場や日本の原風景とも言えるような里山など、四国には良い素材がそろっていると感じている。「うどん県やリョーマの休日など、宣伝もうまい。香川では直島や琴平が外国人観光客にも人気です。その人気の芽を大きなムーブメントにするお手伝いが出来れば。観光には"よそ者"の視点が効く。そういう意味では、自分はちょうどいいかなと思いますね」

基本を忘れず
瀬部 充一 | せべ みちかず
- 略歴
- 1957年10月 東京都生まれ
1980年 3月 大阪大学工学部 卒業
1980年 4月 運輸省 入省
1994年 9月 海上技術安全局造船課補佐官
1997年 8月 日本貿易振興会シドニー・センター所員
2000年 7月 北海道運輸局船舶部 先任船舶検査官
2002年 7月 シップ・アンド・オーシャン財団
2004年 7月 海事局舶用工業課舟艇室長
2007年 5月 海事局舶用工業課長
2008年 7月 海事局船舶産業課長
2009年 4月 海上技術安全研究所企画部長
2013年 7月 海上技術安全研究所理事
2015年 4月 四国運輸局長
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