(だいだい)と代々続く お酢のコラボ

生創石丸 代表取締役 石丸 英正さん

Interview

2019.02.21

橙酢などの商品は、生創石丸が経営するセルフうどん店「空海房」や楽天市場で購入できる

橙酢などの商品は、生創石丸が経営するセルフうどん店「空海房」や楽天市場で購入できる

生創(ふそう)石丸株式会社(高松市)は、食品の製造と販売を手掛ける。特に力を入れているのが、完熟のダイダイを丸ごと搾った「橙(だいだい)酢」だ。味と香りが評判を呼び、東京都内のしゃぶしゃぶ専門店をはじめ、県内外の飲食店で使われている。

代表取締役の石丸英正さん(63)は「昔は庭木にダイダイを植えて、実が熟したら搾っておいて、料理に使うのが一般的でした。それが今では、柑橘類と言えば、ユズ、スダチ。代々栄えるという縁起ものの正月飾りのダイダイも、プラスチック製になってしまった。ダイダイを再びメジャーにしたい」と話す。
橙酢のほかに、ゆず酢や酢と大根おろしを 合わせたものも製造

橙酢のほかに、ゆず酢や酢と大根おろしを
合わせたものも製造

同社は1911年、石丸さんの祖父が創業。石丸さんが入社した79年は、両親と従業員2人で切り盛りしていた。「製造から営業、販売、何でもやった。それが大変というよりは、面白かったですね。地図を見ながら、四国中のお得意先を回りました」

89年から米酢に加えて、橙酢の製造・販売を開始。ダイダイが完熟するまで待って、皮ごと一つずつ丁寧に搾る。搾り切らないことで、苦みや渋みが出ず、香り豊かな油分と果汁を取り出せるという。香りをよりよくするために、2種類のダイダイ果汁をブレンド。使うのは、香川県産と徳島県産のものだけだ。93年からは、自社農園でもダイダイの栽培を始めた。

「大手メーカーに押され、酢の製造・販売だけでは商売は成り立たない。ミネラルウォーターの販売やうどん店、ギフトショップの経営など事業を多角化することで、酢の製造が続けられます」。品質には絶対の自信があるが、価格では大手に勝てない。厳しい競争の中でも続けてきたのは「お酢に育ててもらったから。両親が酢をつくって、売って、私を大学まで行かせてくれました。感謝しています」
橙酢、本みりん、だし醤油のセット商品を セルフうどん店「空海房」でテスト販売中

橙酢、本みりん、だし醤油のセット商品を
セルフうどん店「空海房」でテスト販売中

石丸さんが働く上で大切にしているのは、健康と信用、そして少しの知恵だという。「まずは元気でいること。そしてお客さんを裏切らないこと。知恵があり過ぎるとかえって邪魔になる。分からないことは人に教えてもらえばいいんです」

事業承継も考え、石丸さんの3人の子どもたちには、それぞれ橙酢のプロデュース、インターネット販売、うどん店を任せている。

現在、3月中の完成を目指し、ギフト用商品を開発中だ。ダイダイ果汁にりんご酢とオリゴ糖を混ぜたビネガードリンク、ダイダイ果汁にオリゴ糖と塩を混ぜた手軽に使える調味料などを考えている。ダイダイの皮をお菓子や七味に使いたいという、他社からのオファーもある。

「愛媛の温州ミカン、高知のユズ、徳島のスダチに並んで、香川のダイダイと言われるようになったらうれしい。四国4県を柑橘王国にするのが夢。自社農園で育てたダイダイの苗木を、県内の耕作放棄地に植え、農地の活用にも貢献できれば」

鎌田 佳子

石丸 英正 | いしまる ひでまさ

略歴
1955年 高松市生まれ
1974年 高松第一高校 卒業
1979年 日本大学 卒業
     有限会社石丸酢醸造元
     (現・生創石丸株式会社)入社
1988年 代表取締役 就任

生創石丸株式会社

住所
香川県高松市香南町岡199
代表電話番号
087-879-1403
設立
昭和27年11月1日
社員数
14人(パート含む)
事業内容
酢・清涼飲料水の製造・販売、うどんの製造、ギフト・酒販売
創業
明治44年8月1日
地図
URL
http://www.1403.jp/
確認日
2019.02.21

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