
お菓子とは・・・・・・
「家族や友達が集まって話をしながら食べるコミュニケーションツールの一つであったり、幼い子供の目を輝かさせるもの、おこがましいかもしれませんが夢の一部分であったりするんですよね」と株式会社松浦唐立軒の代表取締役社長、松浦康隆さんは少し照れながら話した。
幼い頃の夢、倉庫いっぱいの「お菓子」
大人買い・・・・・・
これだけ大量のお菓子が目の前に並ぶと思わずそんな衝動に駆られる。懐かしさと高揚感が入り混じった感覚だ。松浦さんが言うように確かに学校や家族のイベント事には必ずお菓子があった。そこにお菓子を届ける元が「問屋さん」なのだ。
「問屋さん」を取り巻く厳しい環境
しかし、ある時、松浦唐立軒に大手スーパーから商品の発注があった。卸抜きの直接取引をしているスーパーが何故?不思議に思った松浦さんが担当者に尋ねると、「今すぐ商品が欲しいが、取引先が休みで手配ができない」という答えが返ってきた。小売の組織化による盲点だった。この時、松浦さんは思った。「休みでも少ないロットでも得意先のかゆい所に手の届く、手間暇かけた商売をする。大手との競争に勝ち残るには労働環境が悪くなってもこれをやるべきだ」と・・・・・・
自社開発のお菓子
問屋ってなんなんだろう。あんな大きな問屋がなくなっても関係ないのか。誰も惜しんでくれないのか」と思ったそうだ。
みんなに惜しまれる問屋に、会社になりたい。存在価値のある会社でありたいという想いから始めたのが自社開発の「お菓子」だ。スタートは約10年前。オリジナルの企画商品として最初に作ったのは、地元の醤油メーカーや酒造メーカーなどの協力を得た「しょうゆあめ」「酒あめ」「ワインあめ」だ。その後、「うどんスナック」など四国の食材を使ったお菓子を続々と売り出した。最新作は、小豆島のオリーブの果汁を使った「オリーブグミ」だ。また、2年前からは社内に「商品提案箱」を設置し、担当者以外からも広くアイデアを募集している。
存在価値のある、必要とされる問屋
そして、最後に松浦さんは・・・・・・
「市場がこれ以上広がらない今、我々の業界の環境はこれからも楽にはなりません。でも、薄氷を踏む思いで危機感、緊張感を持ってやっていく、厳しい環境の方がいいんです。それが商売を継続していく力になるんです」と加えた。
存在価値を高めるオリジナル商品

松浦 康隆
株式会社 松浦唐立軒
- 住所
- 香川県高松市松並町1009-4
- 代表電話番号
- 087-866-1811
- 設立
- 1924年
- 社員数
- 58人
- 事業内容
- グリコ、ロッテ、明治、森永、カルビー、亀田、ブルボン、井村屋、ダイドー、カンロ他有名メーカー特約商品他、トーリツブランド商品等の卸売業。豆芳ブランドの豆菓子の製造販売。
- 沿革
- 1924年 創業
1951年 株式会社に改組
1994年 創業70周年
1999年 独自開発の管理システムの再構築
2010年 経済産業省のIT経営実践企業に認定 - 資本金
- 3500万円
- 地図
- URL
- http://www.matsuura.net/
- 確認日
- 2010.07.15
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