しっかり話を聞いて、隠れたリスクを見極める

三井住友海上火災保険株式会社 高松支店長 森清友樹さん

Interview

2019.11.21

1996年に保険業法が改正されるまで、保険商品は会社ごとに大きな違いはなかった。自由化され、保険会社それぞれが特徴ある商品を打ち出し、保険料も自由に設定できるようになった。それに合わせて「多彩な商品の中から、相手に“刺さる”提案をする力が必要になります」

入社以来、主に法人営業に携わってきた森清さんが、商品を提案することが多いのは企業。会社のリスクを見極め、それをカバーする商品を提案するが、いきなり訪問してもなかなか結果には結び付かない。まずはセミナーなどを開いて、今どういうリスクに備えるべきかきちんと伝える、といった取り組みも進めてきた。

「時代によって、重点を置くべきリスクは変わってきます。例えば今なら『労務管理』と『災害対策』『サイバー対策』でしょうか」。業種によっても特有のリスクがある。その会社にとってのリスクとは何か、過不足なく補償できているか、経営者や担当者から丁寧に話を聞く。「その人自身が気づいていないリスクを掘り起こして提案できるというのは、この仕事の醍醐味だと思います」。その上で「気付けて良かった」と感謝されると、役に立っている実感があるという。

バスケットボールの審判に

中学からバスケットボールを続け、大学ではチームのマネジメントを担当したほか、日本バスケットボール協会の公認審判の資格も取った。30歳でタイに転勤になるまで、会社のチームが試合をするときなどは審判を務めた。「試合中ずっとコート内を走る審判は結構ハードなので、体力がある若い時しかできなくて…。香川に来てからは、ゴルフに行く機会が増えました」

瀬戸内国際芸術祭で、小豆島と豊島に出かけた。「父母ケ浜など、この機会にいろいろなところに出かけたいですね」

仕事の上で、香川で取り組みたいことは「交通事故防止の啓発」だという。

行政や企業と連携して

2018年、人口10万人あたりの交通事故死者数で、香川は4.55人と全国上位(注)。「残念ながらここ数年、死亡につながる重大事故が多いのが現状です」。そこで、香川県警察本部と連携して2015年度から、自動車保険契約手続きの時に、契約内容の説明と併せて交通事故防止に役立つ情報提供をする「気をつけて運動inさぬき」を実施。18年度からは、県内の自動車教習所と連携し、自分の運転マナーを定期的に再点検するよう呼びかける活動を進めている。

「事故が起こった時の保険もありますが、それよりもまず事故そのものをなくすことが大事だと思っています」

もう一つ力を入れたいと考えているのが「災害対策」。「香川はこれまで、比較的災害が少ないため、ほかの県に比べるとリスクに対する意識が低いかもしれません。だからこそ、今後はこの分野についてもセミナーを開催するなどして、啓蒙していきたいと思っています」

注=平成30年中の交通事故死者数について」(警察庁)

森清 友樹 | もりきよ ともき

1964年 東京都生まれ
1983年 早稲田大学高等学院 卒業
1987年 早稲田大学商学部 卒業
     大正海上火災保険株式会社 入社
2003年 三井住友海上火災保険株式会社
    東京企業第一本部・総合営業第六部 第二課長
2007年 千葉埼玉本部・千葉支店 千葉中央支社長
2012年 関西金融法人部 第三課長(上席)
2014年 東北本部 部長(金融機関担当)
2017年 四国本部 高松支店長

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