
プリント配線板の銅回路をグリキャップにつけて処理する

銅表面を薬剤で粗化した場合(物理的結合)
また、今年から国内でもスマートフォン向けにサービスが始まった5G(第5世代移動通信システム)のように、通信速度が速くなるにつれて、銅表面が粗化されていると電気信号の損失が大きくなる。そのため銅表面が平滑なまま密着力が得られる技術が求められていた。
同社は銅表面を粗化せずに、樹脂との密着性を向上させる方法を模索。2012年から開発に取り掛かった。「世の中にまだ無い技術・製品を具体化するのは大変。どんな技術で薬剤を開発するか、薬剤を使ってプリント配線板を量産するにはどんな設備が必要なのか、すべてが手探りの開発でした」と化学品研究・開発本部 表面化学材料チームリーダーの勝村真人さん。
同社の防錆剤「タフエース」がヒントになった。コア技術である有機合成技術で、GliCAP薬剤を開発。化学結合によって銅と樹脂を密着させることに成功した。試作設備を導入して試験を繰り返し、18年にGliCAPシステムが整った。
現在、国内外のメーカーで使用されており、勝村さんは「電子機器の小型化や高周波化はさらに進むと考えられます。これからも世の中のニーズに応えた製品を開発していきたい」と話す。

銅表面をグリキャップで処理した場合(化学的結合)
四国化成工業株式会社
- 住所
- 香川県丸亀市土器町東8丁目537番地1
- 住所
- 丸亀市土器町東8丁目537番地1
- 設立
- 1947年10月10日
- 従業員数
- 325名
- 事業内容
- ◎無機化成品/自動車の高速走行を支える高性能ラジアルタイヤの優れた性能を引き出すゴム加硫剤「不溶性硫黄」、入浴剤に配合され入浴後の保温効果を高める「中性無水芒硝」など。
◎有機化成品/塩素化イソシアヌル酸を原料とするプール用殺菌・消毒剤「ネオクロール」、入浴施設用の「スパクリーン」や「レジオハンター」、浄化槽の殺菌・消毒剤「ポンシロール」、バイオ技術の応用による排水処理剤「ハイポルカ」など。
◎ファインケミカル/エポキシ樹脂の硬化剤であるイミダゾール類「キュアゾール」は、積層板や半導体の封止材として優れた特性を発揮。耐熱型水溶性プレフラックス「タフエース」など。 - 地図
- URL
- https://www.shikoku.co.jp/
- 確認日
- 2024.06.25
おすすめ記事
-
2023.04.06
ホールディングス化で 事業に刺激と成長を
四国化成ホールディングス 社長 渡邊 充範さん
-
2021.03.22
中四国で初の「モス&カフェ」
四国化成工業、シコク・フーズ商事
-
2020.05.21
除菌できる「ネオクロールスティック」
四国化成工業
-
2018.10.25
2018年度グッドデザイン賞 フソウ、四国化成などが受賞
フソウ・四国化成工業
-
2018.09.06
「独創力」で ニッチトップを究める
四国化成工業 社長 兼 C.E.O. 田中 直人さん
-
2011.02.17
もっと世界のオンリーワンを! ~技術開発の事業化戦略~
四国化成 代表取締役社長 田辺 博臣さん
-
2025.03.06
機能性関与成分配合で健康志向に応える
マルキン食品株式会社
-
2025.02.20
現場目線のシステム開発で生産性を向上
高橋 慶多(たかはし・けいた)さん/オリエンタルモーター株式会社 高松カンパニー システム推進課
-
2025.02.06
常に初心に戻るものづくり、技術の継承に意欲
松本一代(まつもと・かずよ)さん/株式会社レガン 開発課
-
2024.10.17
日産約20トンの製造を支える高い設備力
株式会社さぬきシセイ
-
2024.08.01
「ものづくりが好き」が拓いたエキスパートへの道
造田拓也(ぞうた・たくや)さん/株式会社三祥 製造一課第2グループリーダー