埋もれている香川の歴史、文化、人に光をあてる

万葉社 佐々木良さん

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2021.05.07

「令和 万葉集」は出版社設立後、はじめての本

「令和 万葉集」は出版社設立後、はじめての本

現在の元号「令和」の引用元として注目された万葉集。全二十巻のうち、巻五の「梅花の歌三十二首」の序文から「令和」は引用されているが、その梅花の歌三十二首だけを一冊にまとめた“ありそうでなかった本”が話題になっている。

発行元は高松で創業した出版社「万葉社」。代表取締役社長・佐々木良さんは、コロナ禍により2020年、国民一人あたり10万円が給付された「特別定額給付金」を資本金にあて、株式会社 万葉社を設立した。

もともと美術館の学芸員だった佐々木さんは10年ほど前、豊島美術館の立ち上げにかかわった。美しい景色に魅せられ島の歴史や文化、産廃問題についても調べ始めた。調べたことや美術館のことを少しずつ書き溜め、7年分の原稿をもとに東京の出版社から「美術館ができるまで」を発行した。それが、出版社設立につながる。

「自分は美術、文化、歴史の分野で伝えたいことがあって、出版することで形にできた。同じように『伝えたいことがある』人はいるんじゃないか。そのサポートをしたいと思いました。いきなり東京の出版社に連絡できなくても、地元に出版社があれば相談しやすいし」
佐々木良さん

佐々木良さん

東京ではなく香川で出版社を運営する意義を、「埋もれている香川の歴史、文化、人に光をあて、香川の文化力を高めること」だと考えている。

「資本金にあてた給付金だけではなく、かがわ産業支援財団の『起業等スタートアップ支援補助金』など、さまざまな人に支えられた。だから、この出版社を拠点に文化を発信し、収益を上げる。それをできるだけ多くの額の納税という形でお返ししたい」と佐々木さんはいう。

万葉社

住所
香川県高松市番町1-5四番丁スクエア1階3号
設立
2020年
事業内容
出版、教育、ブロックチェーン
確認日
2021.05.07

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