高精度な写真表現から
精密機器製造まで

ナベプロセス

Tec✕Tec

2022.11.17

アジア1号機となるフレキソ印刷機(12色)を2020年に導入。SDGsに配慮しつつ、高速での印刷が可能(400m/分)

アジア1号機となるフレキソ印刷機(12色)を2020年に導入。SDGsに配慮しつつ、高速での印刷が可能(400m/分)

細かいデザインも自由自在!

店頭に並ぶさまざまな食品や日用品。各メーカーの思いが込められたデザインを美しく見せるために活用されている印刷技術が、高精度な写真の濃淡なども鮮やかに表現する「グラビア印刷」だ。凹版印刷の一種で、デザイン通りの版にごく小さいポケットをつくり、そこにインクを流し込んで紙やフィルムに転写する。ナベプロセスは、精密かつ正確な印刷表現ができるグラビア印刷用製版で、全国にシェアを拡大している。

グラビア印刷用の版のベースは、シリンダーロールと呼ばれる筒状の鉄やアルミ。製版には「電子彫刻」と「レーザー製版」の大きく2種類があり、彫刻法はシリンダーの表面を直接彫り込んでいく手法。顧客から支給されたデザインデータに基づいて、先端角130度のダイヤモンドスタイラスが1秒間に8000回振幅しながらシリンダーの表面に小さいポケットを成型する。一方、レーザー製版はフォトポリマー上にレーザー光を照射、セミアブレーションし、デザインを表現するエッチングの手法だ。デザインの濃淡や色づかいは事前の画像データ処理でグラビア印刷用に加工してあるが、製版の段階でも振幅幅やエッチングの加減でポケットの大きさを細かくコントロールできる。

顧客が求める色の再現には、「カラーマネジメントシステム」を導入。社内でも実際の印刷機で確認のための校正刷りを行うが、そこで正しく発色できていても、実際の印刷工程では色目が合わない場合がある。印刷に使われるインクのメーカーによっても仕上がりが変わるため、最新の画像処理技術を駆使してカラー再現シミュレーションを徹底。顧客に合わせて細かく調整し、忠実なデザイン再現を目指している。

また、同社ではいちはやく工程の自動化を進めており、2002年には加工~メッキ工程をロボットでつないで無人で一貫して動かすワンライン・オート化を他社に先駆けて確立、大幅な効率化を実現した。現在も常に時代の流れに応じた最新の設備を導入、新たなステージに挑み続けている。

精密分野への応用も進む

こうしたグラビア印刷の技術を応用し、さらに精密な「プリンタブルエレクトロニクス」分野への展開も進んでいる。積層チップコンデンサなどの精密なデバイスを印刷で製造する技術で、グラビア印刷に比べると製品サイズが極めて小さく難易度が高い。グラビア印刷の転写の厚み、つまりポケットの深さは100分の2~3ミリ程度であるが、積層チップコンデンサの場合はさらに低深度での製版が必要で、かつ深度のばらつきも±1000分の1ミリ以内の精度で均一さが求められることから、現在は熟練の技術者を中心に人の手でコントロールしている。今後はオペレーターの育成、設備改善などで安定した生産を目指し、いずれは自動工程に組み込んでいく見通しだ。
FX5。2台のロボットとオートメーションストッカーの連携により夜間自動運転が可能となった。

FX5。2台のロボットとオートメーションストッカーの連携により夜間自動運転が可能となった。

◆キーワード


印刷の方式

印刷の種類は大きく分けて「凹版印刷」「凸版印刷」「平版印刷」(オフセット印刷)「孔版印刷」があり、どんな用途でどんな表現をしたいかによって印刷方式を選ぶ。

凸版印刷は、文字や柄などとなる部分が凸状になった版で、凸部分にインクをのせて印刷する。新聞など文字が多い印刷物に多く使われる。

凹版印刷は、金属製の版の凹部分にインクをのせて転写する印刷方式。凹部分の深さによってインクの量を調節し、色の濃淡を表現する。版画と同じ原理で、この方式ではインクに厚みを持たせることができるために、高品質で高濃度なカラー印刷に適し、写真を多用する雑誌の印刷によく使われる。グラビア印刷とも呼ばれ、食品や日用品の包材、プラスチックフィルムなどの素材でも印刷できるほか、耐久性のある金属製の版を使用するため、大ロットの印刷に向いている。


印刷の工程

印刷物は、どのような媒体を作成するか企画し、編集・デザインを経て、印刷用の版をつくる「刷版」、印刷、製本・加工という工程が一般的。印刷に使う「版」は金属板を指す場合が多い。

全工程のうち、印刷の前段階を「プリプレス」、印刷機で刷るのは「プレス」、印刷し終えてから納品までを「ポストプレス」と大きく3つに分けている。

◆スタッフ・メッセージ

「グラビア」という言葉には雑誌のイメージがあったので「何の会社だろう」と惹かれたのが入社のきっかけ。入社当時はまだパソコンでデータ処理をするような時代ではなくて、いろんなことをすべて人の手でやっていました。写真課から現場を経て工場長を務めるようになった35年のキャリアで、技術の進歩を目の当たりにしています。

お店でよく見る身近な製品に自分が関わることができるやりがいに加え、経験を積むにつれてお客様からの高い要求をうまく仕上げた時に大きな喜びを感じるようになりました。工場長として、品質とスピード感を大切に、責任を果たしていきたいですね。

グラビア製造本部 本社工場 工場長
唐木秀和さん
高松商業高校卒

ナベプロセス株式会社

住所
香川県高松市木太町2477-1
代表電話番号
087-833-7171
設立
1979年1月
社員数
279名
事業内容
グラビア印刷用ロール製版
フレキソ印刷
フレキソ製版
デジタル印刷
企画デザイン
事業所
本社 香川県高松市木太町2477-1
エストロラボ 香川県高松市木太町2478
サテライトヒル 香川県木田郡三木町井上2876-33
十川工場 香川県高松市十川東町468-1
大阪支社 大阪府大東市諸福4-5-5
東京支社 千葉県柏市柏インター南8-2
東京営業所 東京都千代田区神田須田町2-15 KSYビル5F
岡山営業所 岡山県岡山市南区藤田564-138
静岡営業所 静岡県富士市平垣483 第二美鳳堂ビル1F
地図
URL
https://www.nabeprocess.co.jp/
確認日
2022.11.17

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