香川の昭和100年を振り返る【産業】

ビジネス香川 編集室

column

2025.01.30

番の洲臨海工業団地

番の洲臨海工業団地

地域の産業の特徴は、歴史や地形、気候とも深い関係がある。香川は瀬戸内海に面した穏やかな環境から港町として商業が栄え、塩づくりが盛んだった。また、船による輸送により小麦、大豆も手に入れやすく、それらを原料とする醤油づくりが発展した。そして、生産日本一の手袋のほか、造船業、冷凍食品といった食品関連なども発展してきた。農業では耕作面積が少ない分、高品質、個性化などの工夫をし、高い付加価値の作物を生み出している。

明治時代から坂出・宇多津地域には塩田が広がり、全国有数の塩の町として知られていた。讃岐三白の一つといわれる塩は、讃岐うどんの発展にも大きな役割を果たした。1971年には塩業近代化臨時措置法により塩田が廃止されたが、製塩業のノウハウを活かした化学工業や食品工業の企業が発展していった。

塩田の廃止と同時期の1964年から75年まで、工業開発の拠点的基盤として造成されたのが番の州臨海工業団地だ。香川の産業構造の改善や人口支持力の拡大を目指して行われた施策によって、重化学・大型工場が進出。塩田跡地で操業する地元企業とともに、地域を支える工業地域となった。

多様な産業構造、今後に向けて

香川は、多様な産業構造も特徴の一つ。現在は、建設機械、造船、自動車部品、電気機械など国内トップクラスの企業があり、それらの製品づくりに欠かせない構成部品を開発・製造している地元企業も多い。一流の製品づくりを通して、高い技術が磨かれている。その技術は溶接、切削加工、プレス加工など、ものづくりの基盤となるもの。蓄積されたそれらの技術は、IoTやロボット、高機能素材といったこれからの産業を支える大きな可能性をもっている。

また、リスクの少ない気候・地盤も注目されており、香川県では「せとうち企業誘致100プラン」を策定し、企業の誘致に力を入れている。2024年には、AIを開発するためのデータセンターが中四国で初めて設置され地域活性化を期待されている。
データセンター

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【取材協力】香川県経営支援課、交通政策課、産業政策課、政策課、統計調査課、やしまーる館長・中條亜希子さん

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