Photo:Shintaro Miyawaki
香川県を訪れる外国人旅行者は過去最多に
香川県においても外国人旅行者の増加は著しい。香川県空港振興課の令和6年のデータによると、高松空港を利用して香川県を訪れた外国人は約47.8万人で過去最多となったが、瀬戸内国際芸術祭が開催された令和7年はそれを上回り過去最多を更新する見込みとなっている。空港振興課の小笠原有志さんは次のように話す。「アジアからの旅行者は団体旅行が多い傾向にありましたが、近年は個人旅行も増加しています。高松空港は、空港からリムジンバス1本で高松駅まで行けて、そこから電車や船で他の市町や島へ行ける利便性が魅力。この便利さが、個人旅行者が増える理由の一つになっていると思います」。
外国人旅行者を受け入れる地域づくりとは
実際に外国人が訪れる観光施設ではどんな対策をしているのだろうか。高松市の栗林公園では、園内の案内看板を日本語と英語の2か国語表記にするほか、パンフレットは8つの言語に対応したものを用意。また、令和7年2月からは、園内32ヵ所の案内板に掲示された二次元コードを読み込むと10の言語で音声案内が聞けるサービスも開始した。「400年近い歴史を誇る江戸初期の回遊式大名庭園としての美しさはもちろん、掬月亭でのお抹茶体験など、日本文化に触れる体験も好評を得ています」と栗林公園観光事務所の宮本澄代さん。
栗林公園を訪れる外国人旅行者の数もコロナ前を上回っており、令和元年度の約13.2万人から令和6年度は約21.7万人まで増加した。これだけ増えた外国人旅行者に対して、観光案内などの多言語対応は進んでいるものの、施設の使用方法に関しては文化の違いが出やすいという。「例えばトイレであれば、誤ってゴミを流してしまうとポンプが故障することもあります。そのため、注意喚起の掲示をするなどの対策を行っています」と宮本さん。「外国の方を含め、ご来園いただいた皆さまに安心して過ごしていただけるよう、利用者目線で工夫していきたい」と話す。
課題を解決して旅の快適性をアップし、リピーターを獲得
Photo:Shintaro Miyawaki
こうした問題の解決を進め、地域間の競争に勝っていかなければいけないと前出の小笠原さん。「これから、国内のあらゆる地域でインバウンドの取り合いになっていきます。さらにいえば香川県内でもインバウンドの恩恵を受けるエリアとそうでないエリアがありますし、シーズンによって多い時期と少ない時期の差があることも課題。その差が激しくならないよう、広報などに力を入れていきたい」と話す。その背景には人口減少の問題がある。小笠原さんによると、日本の定住人口1人分の年間消費を、外国人旅行者6人でカバーできるという試算(※)もあるほど、彼らが地域経済にもたらす影響は大きい。今後も外国人旅行者に選ばれる地域であり続けるために、誘客だけでなく旅の満足度向上も大きな課題だと言えるだろう。
(※)定住人口1人あたりの年間消費額135万円に対し、訪日外国人旅行者の1人1回あたり旅行支出額21万2,764円
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