思考と失敗繰り返して成長する

西日本高速道路(NEXCO西日本)四国支社長 後藤 貞洋さん

Interview

2018.09.20

今年6月の着任直後、西日本豪雨による土砂崩落で、高知自動車道上り線の立川橋橋桁が流出した。現在、下り線を使った上下1車線通行ができるようになっているが「できる限り早く復旧し、上下2車線に戻したい」と話す。

「理想の高速道路」目指す

1984年、当時の日本道路公団に入った。研修を終えて赴任した熊本県の八代工事事務所では、九州自動車道の八代―人吉間の用地買収を担当。補償金の算定をしたり、土地の所有者のもとへ交渉に行ったり、一つ一つの積み重ねが仕事の結果につながることにやりがいを覚えた。「用地の契約が済んだところは、図面に色を塗っていくんです。これが高速道路になるんだと実感できました」

87年に高松へ赴任して4年半、高松自動車道の建設に携わった。公団の民営化により、2005年、NEXCO西日本の所属に。

10年から中国支社の山口高速道路事務所長を務めた。「理想の高速道路のために全力を尽くす」。着任前に心に決めていた。後藤さんは安全、安心、快適、サービスの向上を目指し、会議のやり方を変えた。グループ会社6社と合同で行っていたものを、月初に1回、1時間、1社ずつ意見を聞く場にした。グループ会社からの意見は一覧表にまとめ、NEXCOとしてどう対応するかという回答を記入し、月末には情報を共有した。

安全管理のために取り付けたいものがある、料金所にはお客さまからこんな意見が寄せられている・・・。「現場で働く人たちは、何か改善できることがあるのではという視点で仕事に取り組むようになるし、事務所ではグループ会社からどんな意見が出ても対応できるようにと緊張感が生まれる。みんなのモチベーションが上がっていくのを感じました」

受け身にならず考える

ともに働くスタッフに期待していることは、後藤さん自身も心掛けていることだ。「受け身にならずに、何をしないといけないか、まずは自分で考えて行動する。次に、ステップアップするためのチャレンジ精神を持つ。挑戦して失敗したら、また考える。この繰り返しで、人は成長すると思います」
高校時代の器械体操部(前列右から2番目)

高校時代の器械体操部(前列右から2番目)

後藤さんの息抜きはカラオケ。大声を出してストレスを発散する。大阪本社勤務の時に、2年間ボイストレーニングに通い、腹式呼吸や発声方法、裏声の出し方を身に付けた。高校時代に器械体操部に所属していたこともあり、体操競技を見るのも好きだ。世界選手権やオリンピックなど体操競技のテレビ放送は欠かさず見る。「仕事が一段落したら、四国の名所をじっくり回ってみたいとも思っています」(鎌田 佳子)
全日本空輸で1年間の研修を経験

全日本空輸で1年間の研修を経験

後藤 貞洋 | ごとう さだひろ

1962年 福岡県北九州市生まれ
1980年 山口県立豊浦高校 卒業
1984年 山口大学経済学部 卒業
    日本道路公団 採用
2002年 北海道支社 総務部総務課長
2005年 本社 料金企画チームリーダー
〔2005年 10月 日本道路公団→西日本高速道路株式会社(分割民営化)〕
    本社 SA・PA事業グループリーダー
2010年 中国支社 山口高速道路事務所長
2012年 本社 建設事業部 用地担当部長
2016年 本社 広報CS推進部長
2018年 執行役員四国支社長

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