「家計調査」から食文化を知る(野菜編)

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸

column

2019.06.20

レタスの栽培風景

レタスの栽培風景

香川県は狭い農地を可能な限り有効に活用するため、米と麦の二毛作に取り組んだことから、1934年の統計には香川県の稲作面積と麦作面積はほぼ同じであったことが残っています。

近年は野菜の生産が盛んであり、生産量では全国の大産地にはかないませんが、ブロッコリー、レタス、ニンニク、施設野菜としてはアスパラガス、ミニトマト、イチゴなどの産地となっており、積極的な生産振興がされています。

しかし、野菜の産地である香川県も、厚生労働省が実施した国民・健康栄養調査(2006~2010年の平均値)により、野菜摂取量は極めて低いことが知られました。一方、野菜の消費動向を知ることができる統計として、総務省統計局が実施している「家計調査」があります。家計調査では、1年を通じて、どの品目をどれだけ購入しているかという細かなデータも採られており、各地の消費動向を知る手掛かりとして活用されます。

家計調査の「生鮮野菜購入金額」の項目を見ると、残念ながら、高松市の生鮮野菜購入金額は年間62,152円と、全国48位という結果が出ています。野菜全般について消費金額は低いのですが、中でも特に購入されていない野菜としては、レタス(42位)、ブロッコリー(50位)、トマト(46位)と、先に挙げた香川県の主力野菜と言われる品目の消費量が少ないことが分かります。

統計データを観察し、そのデータを日常生活に置き換えることで、その土地土地の生活の特徴をイメージできます。これは憶測の域を抜けませんが、香川県にはサラダ文化があまり定着していないからなのかもしれません。
※家計調査の数値は、二人以上の世帯の2016~18年平均。 順位は県庁所在地及び政令指定都市の全52都市中。 表中の( )内の数字が順位 ※野菜出荷量は農林水産省「野菜生産出荷統計」(2017年産)より。 表中の( )内の数字が全国順位

※家計調査の数値は、二人以上の世帯の2016~18年平均。
順位は県庁所在地及び政令指定都市の全52都市中。
表中の( )内の数字が順位
※野菜出荷量は農林水産省「野菜生産出荷統計」(2017年産)より。
表中の( )内の数字が全国順位

野菜ソムリエ 上級プロ 末原 俊幸さん

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