邦坊のデザインからみる故郷の風景

灸まん美術館 西谷美紀

column

2018.12.06

《夢の大橋》 灸まん美術館所蔵

《夢の大橋》 灸まん美術館所蔵

琴平町出身の和田邦坊(1899-1992)は、新聞漫画家、小説家、農事講習所教員、讃岐民芸館初代館長、商業デザイナー、画家など様々な顔をもつマルチクリエイターである。代表作は、百円札を燃やす成金の風刺漫画。香川県庁舎の知事応接室にある松の障壁画も知る人ぞ知る邦坊の有名な作品である。

灸まん美術館は、邦坊の絵画、陶芸、スケッチ、写真、デザイン資料、遺愛の品々など1000点以上のコレクションを所蔵している。邦坊の研究を始めて何度も訪れているが、いざ“中の人”になると新資料の発見も多く、これからどう料理(整理)していこうかと頭を悩ませている。

まずは次回の展示に向けて、邦坊宅にあったデザインの原画や包装紙コレクションの台帳を整理している。昭和20年代から物産品のプロデュースを手掛けたが、中には地元以外の包装紙のデザインもあり意外な発見が続いている。
和田邦坊

和田邦坊

「夢の大橋」は、岡山の菓子店が使っていたパッケージで赤と青の色合いが目をひくデザインである。瀬戸大橋の架橋を記念して作られた限定商品だったようだ。備讃を結ぶ瀬戸大橋、穏やかな海に浮かぶ小島、懐かしい連絡船。当時の世相を映しつつ郷愁を誘うデザインは、色褪せることがない邦坊芸術として注目できるだろう。

ユーモアあふれる寿ぎの世界 邦坊さんの縁起物

【とき】第1期:2019年2月11日(月・祝)まで、
    第2期:19年3月1日(金)~5月6日(月・振休)
    水曜・年末年始休館
【ところ】灸まん美術館(善通寺市大麻町338)
【入場料】一般500円、65歳以上・身体障害者手帳等をお持ちの方は300円、小中高大生無料
【問い合わせ】TEL:0877-75-3000

灸まん美術館学芸員 西谷 美紀

讃岐民芸館、四国村などを経て灸まん美術館学芸員。和田邦坊を研究。2019年4月に「和田邦坊デザイン探訪記・続編」を刊行。県内図書館などに献本し、灸まん美術館でも販売予定
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灸まん美術館学芸員 西谷 美紀

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